『、』に込められた意味


 今年度の 早稲田大学建築学科 設計演習A展に付けられた「、」 展というタイトルですが、これは今回私たちが設計演習の授業を通して制作した作品の独立性や、文脈を表すために付けられたものです
 本来「、(読点)」は文中に使われるものですが、私たちはその目的は文を区切ることだけに留まらないと考えました。「、」は文を区切り、また動かす。さらにはその前後の語(文章)同士の独立性を保つといった機能があるということに注目しました。

句切る

一旦止めてまた動かす

語と語の独立性を保つ

 私たちは「、」の持つそういった特性と、今回展示する作品に見られる、生活の一部を切り取るといった特性。他にも各々の想いや考えを込める、各々の個性を別の物として独立させる、といった特性に共通点を見出しました。そして、そうした「文脈」を感じ取ってもらうため、今回私たちは「、展」という名前をつけました。そのため今年度の設計演習A展では、それぞれの作品の個性が感じられるようなものが多く、一つひとつが作品として独立しながらも、全体として大きな流れを感じられるような展示となっています。

「生活のある部分を切り取る」

「各々の思いや考えを込める」

「各々の個性を独立させる」 

本展示会は、早稲田大学建築学科の設計演習Aという授業で生まれた作品を展示します。この授業では美学・考現学・都市デザインの視点から、建築・都市・モノをみる、はかる、かくという演習において自由な発想力が試されます。ぜひ早稲田建築の伝統であるこの変な授業の様子や、生み出された数多くのユニークな作品達の魅力を味わいに来て下さい。